ある幻想画家の手記

絵画、芸術について思いついたことを書き記してます。画廊はこちら『第三都市幻想画家 福本晋一 ウェブサイト』 http://www7b.biglobe.ne.jp/~fukusin/ 歴史・事件論の『たまきちの「真実とは私だ」』もやってます。https://gensougaka.hateblo.jp/ メールはshufuku@kvp.biglobe.ne.jpです。

文学

三島由紀夫と岡田有希子~共通するその衝撃の死と内面

精神分析学者の岸田秀の「三島由紀夫論」にこういう文章がある。 「三島由紀夫の精神ははじめから死んでいた。(中略)彼は、死の最後の瞬間まで、自分が本当に何を欲しているか、どう感じているかをつかんでいなかったであろう。それはつかむべくもなかった…

横溝正史『真珠郎』のモデルとなったモダンボーイ

私は特に横溝正史ファンなわけではありませんが、『横溝正史読本』という横溝のインタビュー本は大好きで、今でも読み返します。その中で今回読み直して気づいたことがあるので書いておきます。 今回読んで目にとまったのは、横溝さんがやたら青年期の探偵作…

芥川龍之介『歯車』におけるレエン・コオトの正体

ちょっと芥川龍之介の遺作小説『歯車』を読んでて気がついたことがあるので書き記しておきます。多分、今までどの文学者も指摘してないことだと思うのですが、どうか。 この小説は好きで何度も読んでいる。芥川を自殺に追い込んだいろいろな妄想が描かれてい…

エドガー・アラン・ポー「鴉」を訳してみました

エドガー・アラン・ポーの代表作の詩 「カラス(The Raven)」を訳してみました。Ravenはcrowのカラスではなくワタリガラスのことらしいですが、かえって分かりにくくなるのでやはり「カラス」にしました。ポーはこの詩を自己解説した「構成の原理」というエ…